スタートアップの資金調達とは?

2022/04/28ブログ

はじめに

以前の記事で、スタートアップの資金調達はエクイティ・ファイナンスがメインになると述べました。

起業しよう!スタートアップとは? – 弁護士法人アインザッツ (einsatz.law)

 

そこで、今回はスタートアップの資金調達の基本についてざっくりご説明します。

 

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おさらい:借入れじゃダメ?

借入れ(借金)も立派な資金調達方法なので、貸してもらえるのであれば問題ありません。

もっとも、イノベーティブなスタートアップは黒字化できる可能性が類型的に低いです。

そのため、貸す側のリスクが高く貸してもらえないことが多く、逆に借りる側も返せる可能性が低いので借りられないというジレンマに陥ります。

例えばWEB3が一気に盛り上がっている今でいえば、

あらゆる暗号資産をステーキングできるようにして任意のdappにその開発費を援助でき、dappがうまくいったときにはdappのトークンをスマートコントラクトで受け取れるようにするdappを作りたいので、とりあえず3000万円貸してください!!!

と言われて貸す銀行や信用金庫があるだろうか、という話です。

※上記の例は必死に知ったかぶって書いただけでおそらくいろいろ間違っています。

 

 

株式の発行による資金調達

そこで出てくるのが株式の発行による資金調達です。

 

株式会社とは?

会社にはいくつか種類がある中で、株式会社は以下のような2つの特徴がある会社です。

  1. 会社の持ち主と経営者が別(所有と経営の分離)
  2. 会社の持ち主としての権利が均等なブロックに切り分けられている(株式)

 

1 所有と経営の分離

イメージしづらい方はお金持ちのプライベートジェットをイメージしてください。

プライベートジェットを買ったお金持ちはその操縦をパイロットに任せると思います。
この場合、パイロットはお金持ちに雇われて操縦しているだけで、プライベートジェットの持ち主ではありません。

株式会社も同じで、会社の持ち主である株主は、経営のプロである経営者(取締役)に経営を任せるのが原則となっています。

もちろん、自分で買った車を自分で運転している人もいるように、株主が自ら取締役になっているケースもよくあります。

会社を設立した直後のあなたも、きっと株主かつ代表取締役のはずです。

 

2 株式

株式会社はその持ち主としての権利が「株式」という均等なブロックに分かれています。

イメージしづらい方は、レゴブロックでできた会社建物を想像してください。

ブロック(株式)を持っている人=株主は会社の一部の持ち主なので、会社の得た利益を山分けしてもらえたり、会社の重要な決定に投票できたりします。
そしてそのブロックを持っている人は、自分が持っているブロックを誰かに売ることができますし、別の株主から買うこともできます。

株式会社自身も大きくなるためにお金が必要なときにブロックを新しく作って売ることができます。

会社の価値が高ければ高いほど、ブロックの値段は上がっていきます。

 

株式の発行

このように、会社が大きくなるためにお金が必要なときに、自ら株式を発行してそれを誰かに買ってもらうことで現金を手に入れる、という手続が株式の発行です。

 

例えばあなたが株式会社YOUを資本金10万円、発行済み株式数10万株で設立したとします。
これから事業を開始するにあたり、製品のプロトタイプの開発に500万円、最初に買ってくれるお客さま探しに300万円、合計800万円ぐらいが必要になりそうです。
そこで、株式を発行することにしました。
色々な投資家のところを巡り、断られ続けたものの、最後に800万円で1万株をくれるなら出してもいいよと言ってくれる人が現れました。
そこで、株式会社YOUは1万株を発行し、代わりに投資家は800万円を会社に払ってくれました。

 

これが株式発行による資金調達です。

 

なぜ投資家はあなたの会社の株式を買ってくれるのか

このような話を最初に耳にすると、「そんなことあるわけがない」と思われるかもしれません。
プロトタイプもまだない、アイディアしかないような会社にポンと800万円も出してくれる人がいるはずがないと。
しかも株価が73倍になってしまっている…!

しかし、現実にこのようなことが起こっているのです。

その理由はただ一つ、あなたのビジネスが大きく跳ねる可能性を秘めていると投資家が考えたからです。

スタートアップビジネスが成功すると、その株価は大きく跳ねあがります。数百倍、数千倍になるかもしれません。

たとえば、100分の1の確率で300倍になりそうな会社を100社見つけてきて投資ができれば、そのうちの99社が倒産して買った株式が紙くずになっても、元手を3倍にできるという計算になります。
投資家たちはこのようなビジネスをしているのです。

 

あなたのビジネスは十分に魅力的か

投資家があなたのビジネスに300倍に跳ね上がってもらうことを期待している以上、あなたは自分のビジネスが300倍、あるいはそれ以上に跳ね上がることを投資家に説明し、説得できなければなりません。

逆にそれさえ可能ならば、お金を出してくれる投資家はきっと現れるでしょう。

 

 

まとめ

以上のように、

自分のビジネスの潜在性だけを武器に、投資家からお金を出してもらい、代わりに株式を渡す。

これがスタートアップのエクイティ・ファイナンスの基本になります。

 

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